『地球儀』

1.安全地帯

友達になれそう、なんて
最低な気がするよ。

同じような夜が来て
同じような星を見よう

宝物があったけど
羨ましいって言われなきゃ
いらないような気もするよ

殺されたくないから 仕方がないよね

遠く遠く 遠くまで
安全地帯を探して

あの月の裏側まで
飛んでいくつもりだった

薄情な地球の上に
突っ立って何を願う

誰もいない 誰もいない
もう二度と戻らない

泣き落としの すぐ後に
せせら笑った記憶があって

愛とか恋の終わりには
同じような夢を見る

何も覚えてないけれど
この手も この足も
汚れてるような気がするよ

殺したくなくても 仕方がないよね

遠く遠く 遠くまで 
安全地帯を探して

黄昏を抱きしめて
痛みが止まるまで

真っ黒な地球の上に
垂直に立ってうたう

きみはぼくの誇りさ
ぼくはきみの誇りさ

友達になれそう、なんて
最低な気がするよ。

同じような夜が来て
同じような星を見よう

宝物があっただろう
捨ててしまった記憶もないよ

愛とか恋のはじまりは
同じような星を見ようよ

遠く遠く 遠くまで 
安全地帯を探して

あの月の裏側まで
飛んでいくつもりだった

薄情な地球の上に
突っ立って何を願う

誰もいない 誰もいない
もう二度と戻らない

安全地帯を探して

真っ黒な地球の上に
垂直に立ってうたう

きみはぼくの誇りさ
ぼくはきみの誇りさ

安全地帯を探して
遠く遠く 遠くまで

安全地帯を探して


2.やさしい街

遠くを見てるふりをして
今朝の夢を思い出している
きっとこれから どれだけ経っても
探しものは そこにあるんだろう

本当のことだけ求めては
またガラクタばかり集めてる
きみに渡すプレゼントが
どこにも見つからないまま

居場所のない おっさんがいる
居たくもないと ガキは泣く
ポケットに突っ込んだままの
言葉が溶け出してしまう

ずっと道の端を歩いてる
僕はどこを歩けばいいんだろう
返り血を浴びて歩いてる
いつのまにか シミになっている

こんな冴えない想いが
きみにバレないといいな
涙が止まったら 帰るから

「わたし ひざし たまに 
    とてもまぶしくて
    目が眩むけど 見つめてたいの」

やさしい街に かなしいうたが
溢れだすように 日は沈むけど
まだ間に合うかな

渋谷はバカであふれてる
新宿はクソにまみれてる
この街は愛にあふれてる
僕は道の端を歩いてる

あいつも最近 狂ってる
仲間はずれになりたくないから
響き渡るラブソングが
どこにも見つからないから

一番星に触れることは叶わない
夜を待つのは どうしてなんだろう

やさしい街に かなしいうたが
溢れだすように 日は沈むけど
まだ間に合うかな もう遅いかな

遠くを見てるふりをして
今朝の夢を忘れはじめてる
この街は愛にあふれてる
僕は道の端を歩いてる

ずっと道の端を歩いてる
僕はどこを歩けばいいんだろう
きみに渡すプレゼントが
どこにも見つからないまま

「わたし ひざし たまに 
    とてもまぶしくて
    目が眩むけど 見つめてたいの」

やさしい街に かなしいうたが
溢れないように ねえ、どうか。

こんな冴えない想いが
きみにバレないといいな
涙が止まったら 帰るから


3.やさしい人

夜が暗い
救えやしない きみを想っている

心配ない、心配ない と
手紙を書いている

あの月は雲の波間に
かなしみの海原へ
沈んでいくんだろう

痛みのない仔犬みたいに
俺は叫んでいる

悪びれない 悪気もないまま
返事を待っている

きみはただ 夜をつなぐように
明日の風を吸いこんで
静かに息をする

やさしい人

大きくなって 小さくなって
僕らは恋をする

死にたくない、死にたくない と
命をノックする

やさしくなりたいよ
きみが笑うような
大空を抱きしめて 欠伸がでるような

やさしい人
 
夜が暗い
救えやしない きみを想っている

泣きやんだ子供みたいに
手紙を読んでいる

きみはただ 夜をつなぐように
かなしみの岸辺から
ぼくを祈っている

やさしくなりたいよ
笑顔がみたいよ

月明りを飲みほして 
煙草に火をつけて

やさしい人

大きくなって 小さくなって
僕らは恋をする

死にたくない、死にたくない と
命をノックする

やさしくなりたいよ
きみが笑うような
大空を抱きしめて 欠伸がでるような

やさしい人


4.バースデイ

生まれた夜の月を見たんだ
寝ぼけまなこは涙で濡れてた

旅立ちの朝 君は来ないさ
さよならばかり 聞き飽きたよね 今更

これから何度だって
何度だって 夜はきて

眠れない日もあるよ
君はどうするんだろう

帰れなくていい 薄暗くてもいい
どうか その道が
明日につながっていますように

君の手のすきまに 愛をうめるように
いまうたをうたうよ 届くはずさ

ふと夜道にひとり
君が彷徨わないように

このうたを贈るよ
リボンをつけて、バースデイ。

悲しみは まだ胸をつくけど
進むしかない 僕らをゆるせよ

君の願いが星になるなら
僕はやさしい夜空になるから

何度だって
何度だって夢をみて

それから何度だって
何度だって バカをみる

涙もいい くだらなくてもいい
今日も この道は月が照らすよ
生まれた日と同じように

はれわたる星空 真冬の風の中
遠い日々も そばにあるはずさ

こんな夜に君も やさしい腕の中
産声をあげたろう 届いてるよ

歩けば歩くほど
街も君も遠くなっていくけど

まぼろしなんかじゃないんだよ
冷たく転がった僕らを
いつか みにいこうね

出会いも別れも ただ歳をとる
あやまちの隣で笑えますように

記憶のすきまに 愛をうめるように
ずっと うたをうたうよ

はれわたる星空 真冬の風の中
遠い日々も そばにあるはずさ

ふと夜道にひとり
君が彷徨わないように

このうたを贈るよ
リボンをつけて、バースデイ。


5.またね

心配性な僕の右手を
振り払うぼくを月が嘲笑うの

どこにいても
大きなものに見られているようで
大きな声が怒鳴るようで

ビルの隙間で 少しだけ眠らせて

前触れもなく春が泡立つ
青白いなみだを雲に混ぜてごらん

都会のすみに きみを描いている
間違えないように
僕はここにいるからね

愛はかなしく 
僕をつつんでくれるよ 大丈夫
またね またね またね

街はやさしくながれ
ゆるしあえるよ ねえ、全部。
またね またね またね

街に雨が降る きみに雨が降る
夢に雨が降る 嘘に雨が降る

都会のすみに きみを描いている
死体になっても腐らないような
涙をながすのさ

愛はかなしく 
僕をつつんでくれるよ 大丈夫
またね またね またね

街はやさしくながれ
ゆるしあえるよ ねえ、全部。
またね またね またね

四月の遠い雨の音
記憶のずっと奥のこと

守りたかった約束も
いつか忘れてしまっても

四月の遠い雨の音
記憶のずっと奥のこと

知らずにそっと帰る場所
瞳のずっと奥の言葉と

またね


6.漂流教室

標高3000mまでソーダアップで
はじけるライムも ほら橙
日が暮れる 日が暮れる
日が暮れる なにか違う気がしてる

体操男子はメダルの快挙
痴漢冤罪のニュースはない
だけど違う 今日も違う
明日も違う また間違う気がしてる

ぼんやりしてたら下校のチャイムで
とりのこされた教室は瞬いて
瞬いている きみはただ うつしくあれ

強行採決 静まりかえる
消しゴムは きみのうたを掻き消す
急がなきゃ 急がなきゃ
急がなきゃ 見つからないうちに

滞空時間は日に日にタイトに
懐中電灯では足りない
日が暮れる 日が暮れる 日が暮れる
なにか違うなにか違う なにか 

ぼんやりしてたら下校のチャイムで
とりのこされた教室は瞬いて
瞬いている きみはただ うつくしくあれ

夕まぐれ 傷だらけ
静かだね。泣かないで 泣かないで

血が滲む 流れてく
船を出せ きみはただ揺られていけ

漂流教室 僕らの最期は
あなたの胸ではないかもしれない
それでもね それでもね
いまはただ うつくしくあれ

漂流教室 僕らの最期は
あなたの胸ではない わかってるよ
それでもね 消えないで
そのうたを 消さないで

ぼんやりしてたら下校のチャイムで
とりのこされた教室は
まだ抱いていてあげるから
きみはただうつくしくあれ うつくしくあれ

漂流教室 僕らの最期は
あなたの胸ではないかもしれない
漂流教室 僕らの最後はね

ぼんやりしてたら下校のチャイムで
とりのこされた教室は瞬いて
瞬いている きみはただ うつくしあれ

うつくしくあれ


7.オレンジ

そっちはどうだい
うまくやれそうかい
言葉じゃつまんないけど
それしかわからないから

息を吸い込んで
止まれやしない毎日を
嘲笑う青空から
いま、めくれたオレンジ

まわる今日が何度目だって
また きみに出逢いたい

鳥になって魚になったって
同じようにこの街で

やっとみえた やっとみえた心を
ずっとみてた ずっとみてた きみへと

夢に見るような
思い出すような
奇跡じゃつまらないよな
大人になって また会おうぜ

そっちはどうだい
うまくやれそうかい
やぶれた空から
いま、ひろがるオレンジ

形になればすぐに壊すから
今は見つめていたい

止まらぬ日々に駄々をこねるように
しゃがみこんでしまいたい

静かに

にじむ景色に負けないように
心をぎゅっと確かめる

虚空に愛を 街に花束を
敷き詰めてしまえたら

まわる今日が何度目だって
また きみに出逢いたい

雲になって欠片になったって
同じようにこの街で

やっとみえた やっとみえた心を
ずっとみてた ずっとみてた きみへと

やっとみえた やっとみえた心を
ずっとみてた ずっとみてた きみへと


8.火星の暮らし

きみに触れて はじめて
街の色が見えたよ

小さな寝言をきいて
夜空の形を知ったよ

かなしいときだけ神頼み
賽銭投げて 手を合わせていた

僕の悪いとこ いちばんいいとこ

本当はずっと春を待ってたけど
きりがないみたいだな
もう行かなくちゃ もう行かなくちゃ

ひとりじゃどうか分かんないけど
分からないなら 知らなきゃね

火星の暮らしは 喉が焼けそうさ

誰がバンビを殺したんだろう
あれからずっと考えてるけど

俺には今も まだわからない
確かなものは今日も掴めそうなままで

本当はずっと春を待ってたけど
きりがないみたいだな
もう行かなくちゃ もう行かなくちゃ

ひとりじゃどうか分かんないけど
分からないなら 知らなきゃね

火星の暮らしは 喉が焼けそうさ


9.ワールドターニング

簡単に嘘にする 弾丸でぶちぬける
安心が馬鹿げていく
こんなとき きみがどう思う

外人はキスをする 肺がんが増えている
来週は雨になる
それだけかい きみがどう思う

前触れもなく 髪を揺らせば
それがもう夢だった
夏の日差しが時を止めれば
さよならは ずっと言えるから

難民はキスをする 弾丸の夢を見る
来週は雨になる
こんなとき きみがどう思う

前触れもなく 時が動き出す
色や形を俺は見失う
待ちに待った日々だろう

The world is turning

寝起きに息切れてる
乱反射にまみれる 炭酸がぬけていく
こんなとき

しらばっくれていたら
仲間はずれの神様
青い青い空の下 銀行に間に合うかい

きみは 間に合うかい 
きみは どうだい 間に合うかい

きみはどうだい

簡単に嘘にする 弾丸でぶちぬける
安心が馬鹿げていく
こんなとき きみがどう思う

難民はキスをする 弾丸の夢を見る
来週は雨になる
こんなとき きみがどう思う

前触れもなく 時が動き出す
恥知らずになって うたになる
口ずさんでおくれよ

待ちに待った日々だよ

The world is turning

全作詞・作曲 木村太郎

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